石を叩くとナイフが誕生!? 


プログラム2日目の午後には、明治大学 黒耀石研究センターの鈴木美保さんがナビゲーターとして登場し、修士学生の両角太一さんも補佐として参加しました。子供たちは、黒曜石を使ったナイフづくりに挑戦する貴重な体験をしました。


まず、美保さんが大きな黒曜石を石や動物の角を使って薄く切り出すデモンストレーションが行われました。美保さんが力の加え方や角度を工夫しながら硬い黒曜石を薄く削り出す様子に、子供たちも大人たちも目を見張っていました。とても頑丈そうに見える黒曜石が、巧みに力を調整することで割れやすくなるという自然の不思議さに、皆が驚きと感動を覚えたようでした。


デモンストレーションの後、いよいよ子供たち自身が黒曜石ナイフ作りに挑戦する時間がやってきました。大きな黒曜石の破片を自分の手に取った子供たちは、最初はその硬さと重さに少し戸惑いながらも、試行錯誤を重ねていました。鈴木さんと両角さんが、力の入れ方や角度の取り方など、黒曜石の加工のコツを一人ひとりに丁寧に教えてくださったことで、子供たちは次第に自信をつけていきました。


時間が経つにつれ、子供たちは各々の手で、思い思いの形や大きさにナイフを削り出していきました。自分の工夫で形作られたナイフが次第に完成に近づいていくと、子供たちはそれぞれの作品に誇りを感じているようでした。最後には、全員が世界に一つだけのオリジナル黒曜石ナイフを完成させることができ、その達成感に満ちた表情が印象的でした。


この体験を通して、子供たちは自然素材を用いた手仕事の面白さや奥深さを学び、また自然の素材に敬意を持つことの大切さを感じ取ったようです。こうしたものづくりの経験が、彼らの中で長く記憶に残るものとなるでしょう。