自然の色は何色?石が生み出す色彩の世界


真っ白な風呂敷に、石でできた絵の具で描く意思は?動的なカヌーとは異なる、静的かつ内省的な午後の活動が始まりました。


お腹いっぱいになった子どもたちは光明寺に移動。仏様や庭の蓮の葉を見て気分を落ち着かせます。

ナビゲーターは鏑木清方記念美術館学芸員の今西彩子さんと、日本画家・アートワークセラピストの天内純子さん。


まずは今西さんに岩絵具について説明いただきました。かつて人間が、自らの意思を形にするために宝石などを砕いて作ったなんとも贅沢な色たち。子どもたちの目は絵具の材料である鉱物に釘付けです。

絵具や鉱物を思う存分観察したら、今度は自分の意思を表現する時間です。

1日目、2日目の活動で様々な「いし」から得た着想をもとに、まっさらな風呂敷に自分の世界を、色をアウトプットします。

今回使うのは新岩絵具。天然の鉱物から出来ている岩絵具と異なり、着色したガラスの粒子でできています。旧来の岩絵具よりも多様な色を表現できるそうです。


初めて使う絵具での一発勝負。

はじめは描くのに躊躇したり図案に悩んだりしましたが、だんだんと夢中になっていきます。真剣に筆を運ぶ子どもたちの手元で、それぞれの風呂敷に個才が花開いていきます。


言葉ではすくいきれない、ぼんやりとした意思は、ぼんやりしているからこそ、色や形を使った絵として抽象的なまま表現できることがあります。

石でできた絵具に託した自分だけのイメージで彩った風呂敷で、どんな意思を包もうか。玉手箱の完成に思いを馳せながら、帰路につきました。